毛皮の種類

ミンク

 

ミンクは、食肉目イタチ科ムステラ属に分類される、水陸両性の小動物です。
大別するとワイルドミンク(野生)と養殖ミンクがありますが、近年は、たくさんの新種が作られ産出量のほとんどが、養殖ミンクです。
ミンクの養殖は1920年代頃から品種改良が進み、アメリカ・北欧・日本などで質の高い本格的な毛皮が作られてきました。

 

フォックス
  種類としては、北半球全般のわたって生息する赤狐、北極地方に生息する北極狐、北および中部アメリカに生息する色狐が、野生種としてあります。
しかし、自然破壊が進むにつれて、野生狐の数も減少して養殖が盛んに行われるようになりました。
その代表的なものには、銀狐・青狐・プラチナ狐・シャドー狐などがあり、そのほとんどが、スカンジナビアで生産されています。

Lynx リンクス(大山ネコ)  
  ヨーロッパピレネー山脈とアルプス山脈から北部、アジアのシベリア太平洋沿岸からヒマラヤ山脈に至る地、カナダの各森林地帯などに生息するリンクスは、体長が約1メートル、四肢が丈夫で胴よりも長く幅の広い足をしています。
習性としては夜行性で、鋭い視覚と嗅覚の持ち主で、一晩に約40kmも移動するといいます。
毛の色は背の部分が白に近い砂色から赤さび色まであり、暗褐色の斑点があります。
腹部は白色で、全体の毛はソフトで長く、特に腹部の毛並みが美しく長いのが特徴です。
したがってリンクスの場合は腹部を中心に使われ、白い毛並みの部分が多いほど品質良く、高価になります。また、リンクスの名前は16世紀の記録にも見られるほど歴史が古く、17世紀末にはイギリスのカナダ貿易の花形商品として取引された事もあります。
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世紀には絶滅の危機にさらされました。
現在でもその数は少なく大変高価な毛皮として貴重な存在になりました。
なお、リンクスキャットはリンクスよりも小さな山猫のことです。

Sable セーブル (テン)  
  上質なツヤと深く格調高い風合いの毛は、毛皮の最高級品として、昔から珍重され、今でも毛皮を着る人々の憧れ的存在です。
セーブルはミンクと同じイタチ科の小動物で、毛並みはミンクよりも深く、刺毛は平均して4〜5cmもあります。

ロシアンセーブル(黒テン)  
  サハリン、シベリアに生息し、特にシベリア、カムチャッカ産のものが高級品で最も高価。
銀色の刺毛が微妙な光沢を輝かせます。

カナディアンセーブル(アメリカテン)  
  ハドソンベイセーブルとも呼ばれ、アラスカ南部、カナダ、北米が産地。
カナディアンセーブルはカナダ産の中で最高級で色は、明るい茶から黒まであります。

黄テン(日本テン)
  本州、四国、対島、朝鮮でとれ、本州東北産のものは鮮やかな黄色で品質が良く、とても美しい毛皮です。

Nutria ヌートリア
  体型がねずみに似たヌートリアは、全長で90cm以上もあり、防水性の堅くて長い刺毛が、密生した柔らかい綿毛を保護しています。
色は刺毛が黄色と茶色で綿毛が濃い茶色。
今ではほとんどが、刺毛を抜いて綿毛を刈り込み染色して使用します。
加工された後のシルキーな感触は柔らかく、軽いのが特徴で、幅広い製品に使用されている毛皮です。
原産国は南アメリカ。

Weasel ウィーゼル (イタチ)
  チャイナミンクともよばれるウィーゼルは、中国が産地で毛質は北から南に下がるにつれて次第に低下するといわれています。
毛はふかふかとしていて厚く、荒い刺毛があり、背中が赤褐色、腹部が黄色または白で、主にミンクやセーブルに似せて染色をして使われてきました。
日本にも北海道から九州まで生息し、北海道の物は、毛質がミンクによく似ています。

Leopard レオパード (ヒョウ)
  アメリカ、インド、中国、アフリカなどに生息する。
獰猛なため養殖ができず、すべて野生のものを毛皮として使用してきました。
毛足は短く全体に黄色がかり、背中を中心に体中に不規則な黒く丸い、輪形もしくは中の抜けた楕円形の模様があります。
斑点があり鮮明で美しく、毛足が短く密で、光沢があり、しなやかな感触がシルキーです。
特にソマリア産が高級品とされています。

Ocelot オセロット
  北アメリカ南部から中央アメリカ、パラグアイより北の南アメリカ、メキシコに産するネコ科の動物で、その毛皮は山ネコの種類の中でも最高のものです。
頭と首に黒い縦縞がり、毛足が短く平たい感じで、光沢があるうえに、ソフトな感触です。
地色は灰白色や灰黄色、濃い褐色で、これに縁が黒く内側が褐色の前後に大きい斑紋があり、この美しい模様を自然のまま使用します。